4月11日の「気まぐれ空模様」 ~友情/平尾誠二と山中伸弥 最後の一年~

友情~平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」/山中伸弥 平尾誠二・惠子/講談社

2010年9月、出版社の対談で初めて顔を合わせたふたりは、同学年ということもあり息もぴったり合って急接近。40代になってからお互いのことを心より尊敬できて信頼しあえる親友になった。家族ぐるみの幸せな関係は、ずっと続くと思われたが末期がんが平尾氏を襲った。◆臆面もなく男同士の友情を語れることに軽い抵抗を覚えたけれど、読み始めてみると、あまりの山中氏の純粋さ、ひた向きさにに心を打たれた。◆出会いから別れまで僅か6年。その短い期間に、彼らの友情が凝縮されている。あふれる感情の美しいこと、流れる時間の濃密なこと。友情というより、愛情と解釈したほうがしっくりくる。それほど、山中氏にとって平尾誠二とは出会う前から憧れの存在だったのだろう。◆一章は山中氏の語る平尾誠二という男。二章は平尾夫人である惠子さんへのインタビューで構成。そこから窺える、平尾×山中の関係、そして、過酷な闘病。もっとも至近距離で過ごしてきた妻が知る平尾誠二という人間。読みごたえがある。◆後半に掲載の対談集も含めて、読みながら、人間の器というものについて深く考えさせられた。平尾氏のような状況に立たされた場合の、社会的地位や環境の格差についてうがった見方をしないでもない。ただ、それでも、それぞれの、自分が主役の人生において、最善を尽くせるということは、立場がどうあれ同等に価値がある。感動しました。

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